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社会情勢の変化と葬儀に対する考え方の変化

戦後の核家族化と少子高齢化時代という社会情勢の大きな変化に伴い、葬儀のやり方も大きく変わってきました。これまでの伝統的な葬儀は、たくさんの方に参列していただく一般葬でしたが、故人の知り合いも少なくなっていきますし、式にかける費用も遺族にとって大きな負担となりますので、葬式を簡素化するようになってきました。

この結果広まり始めたのが、家族葬です。通夜と告別式を、家族や親戚、少数のごく近しい友人で、ごくごく内輪に行います。ただ、費用総額に関しては、香典収入も勘案すると、一般葬とあまり差はないようですので、あとは故人の遺志と遺族の気持ちの問題と言うことになります。

考え方も多様化してきていますが、最後のお別れとなりますので、やはりきちんとした葬儀をやった方が気持ちの整理にもつながります。最近は、終活とかエンディングノートが出てきて、故人が式についてきちんと考えを記し、遺族が困らないようにする活動も出てきています。

大手もこじんまりとした葬儀社も魅力がある

自前の式場を持っている葬儀社は、ほとんどが大手でしょう。当然費用は高くなりますが、大規模な葬儀ができる設備がしっかり整っていますし、スタッフの教育も行き届いています。これは遺族からしたら大きな魅力でしょう。

また、立地条件が良いと言うことも見逃せません。これは、参列者にとってもありがたいことです。もちろん、葬儀社は大手だけではありません。こじんまりとしたところもあります。そう言うところは、自前の式場を持っていません。

貸し式場を利用しますが、小さいお葬式も快く引き受けてくれます。最近はお葬式の縮小化が進んでいるので、魅力を感じる遺族は少なくないでしょう。昔はスタッフの質が良くないと言われることもありましたが、最近はそんなことはありません。

自社の評判にかかわるわけですから、しっかり教育しています。

時代や世相の変化に伴い多様化する葬儀

核家族化と少子高齢化の進行により、日本の社会は大きく変容しています。価値観も多様化しており、それにつれ葬儀に対する考え方も多様化しています。日本における葬儀の形態は仏式が大半を占めていますが、最近は故人の意思を尊重した形で行われるようになりました。

もともと日本人には特定の宗教に対するこだわりは希薄ですので、従来の形態にとらわれない新しい考え方で行う場合が増えています。その一つが、お別れの会です。お寺などの宗教施設ではなく、ホテルなどの会場を利用して、故人の写真や愛用の品を飾って、好きだった音楽を流し、献花をし、食事をしながら故人を偲ぶという会です。

また、変わったところでは生前葬もあります。生きている間に、親しい友人や知人、お世話になった方をお招きして、それまでの旧誼について自ら御礼を述べるやり方です。亡くなる前ですので葬儀と言えるのかという疑問もありますが、故人のお別れの仕方は、それぞれの考えに基づいて様々なやり方がありますので、形式にこだわらず、その人の意思に基づいて行われるべきです。