お別れの会とは、家族や近親者のみで葬儀を済ませた後、故人と親交のあった友人・知人や会社の関係者などを招いて開かれる会のことです。偲ぶ会、送る会などとも呼ばれます。お別れ会はホテルなどで行われることが多く、宗教色の無い形式が一般的です。
会場にホテルを利用する場合は、案内状や着付け、送迎などをひとまとめにして手配・提供できるメリットがあります。葬儀社と提携しているホテルも多く、場所だけ提供してもらい、会の進行などは全て葬儀社が取り仕切るケースもあります。
服装は、案内状に「平服で」と書かれていれば、喪服や礼服で行く必要はありません。男性はスーツ、女性は黒のワンピースや色味を抑えたスーツを着用し、地味な装いで参列します。通常は香典を準備しますが、案内状に香典辞退の記載があれば不要です。
会費制で行われる場合も多く1万円〜2万円が相場のようです。
最近の傾向として、宗教にとらわれない「お別れの会」スタイルで故人を送り出す葬儀スタイルが流行しつつあります。しかし、これまでの仏教形式のお葬式に慣れた年配層には、まだまだなじみが薄いのが現状です。もしお亡くなりになられた方がまだ若く、故人の親御さんがまだご存命の場合には、お別れ会の形式としたい遺族と、従来の葬儀を執り行いたい親御さんの間で、いらぬ軋轢を生む可能性もあります。
お葬式のスタイルでトラブルを招かないためには、故人が生前に葬儀のスタイルについて書き残しておくことがポイントです。とはいえ、突然の死去では予め遺書を書いておくことも、なかなか容易ではありません。今が元気いっぱいで、自分が死ぬことを想像できない人でも、年に一度の節目として、家族全員がメモ程度であっても、自分の意志を残しておく習慣をつけたいですね。